たけしのみんなの家庭の医学 9月2日 頭痛の見分け方と対処法 [健康]
たけしのみんなの家庭の医学
9月2日 頭痛の見分け方と対処法
2014年9月2日の「たけしのみんなの家庭の医学」は、
過去にも番組にたびたび登場して頭痛についていろいろ教えていただいた
埼玉国際頭痛センター長の坂井文彦先生が、様々なタイプの頭痛の見分け方から対処法、特に今回は緊張型頭痛や片頭痛だと思い込み、治療を続けているのにいつまで経っても治らないケースについて解説してくださいました。
坂井文彦先生プロフィール
1969年 慶應義塾大学医学部卒業(内科学教室に入局)
1976年 米国ベーラー大学神経内科留学。Harold G. Wolff賞受賞(片頭痛と脳循環の研究)
1997年 北里大学医学部神経内科学教授
2008年 北里研究所病院頭痛センター長
2008年 第14回国際頭痛学会において、Honorary Life Member 生涯名誉会員 受賞
2009年 国際頭痛センター長(新百合ヶ丘)
2010年 埼玉医科大学客員教授
2010年 埼玉国際頭痛センター長
坂井文彦先生は、日本頭痛学会の理事長などを歴任した経歴を持つ、頭痛の専門家として知られています。
長年に渡り、日本の慢性頭痛医療の進化に貢献されてきましたが、中でも「頭痛ダイアリー」の活用・研究では高い成果を上げており、全国の頭痛専門医の治療に取り入れられています。
頭痛の患者さんに、「頭痛ダイアリー」で患者自身に、頭痛の起こり方や経過、薬などを記録してもらい、患者が自分の頭痛をよく観察し、自分がどのタイプの頭痛なのかを自己診断し、どのタイミングで、どう薬を飲むかをしっかりと理解してもらうことを目的としているそうです。
坂井文彦先生の著書
それでは、番組内容をご紹介します。
1.緊張型頭痛だと思っていたら発作性片側頭痛だった
H・Nさん(65歳・女性)は約10年前から緊張型頭痛に悩まされていました。
緊張型頭痛とは、頭部の血流が悪化して筋肉に痛みを発する物質が溜まって引き起こされる頭痛のことで、頭痛の種類の中で約6割を占め、一番多いタイプです。
H・Nさんは頭痛を起こすと医師から処方された鎮痛剤を服用していましたが、今から約5年前、突然左目の奥にそれまで感じたことのない激しい痛みがあり、涙が溢れ出し、目を開けていることすら出来なくなってしまいました。
そして、再診察を受け、一旦は緊張型頭痛と群発頭痛の併発との診断を受け、新たに治療を受けたが良くなりませんでした。
そんなある日、友人から教えられ、頭痛治療の名医、坂井文彦先生の診察を受けることになりました。
坂井先生は、H・Nさんに頭痛がいつどんな風に起きたかを記録する頭痛ダイアリーをつけるように指示し、2週間後、その記録を丹念にチェックした坂井先生は、H・Nさんの頭痛の特徴から「発作性片側頭痛」という病名を導き出しました。
発作性片側頭痛とは、自律神経を司る脳幹のトラブルで三叉神経内上に興奮しておこり、特効薬であるインドメタシンを処方したところ、H・Nさんの症状は劇的に改善しました。
2.偏頭痛だと思っていたら睡眠時頭痛だった
長年、市販薬を飲んでも頭痛が治らないという男性が、坂井文彦先生のもとに訪れました。
坂井先生は、頭痛ダイアリーを渡し、日々の頭痛を記録するよう求めました。
提出された頭痛ダイアリーを見た坂井先生は、頭痛が決まって就寝から4時間後に起こっていることに気づき、眠りの周期が浅い時に頭痛を起こすことから、睡眠時頭痛と診断しました。
睡眠時頭痛とは、脳幹に異常が出て起こるもので、睡眠中にのみ起こり、痛みで目が覚めるものです。
この病気は、市販の頭痛薬の過剰な服用が原因で起こることが多いです。
そこで、坂井先生は、メラトニンというホルモンの働きを良くする薬を処方し、脳の安静を保つ治療を行いました。
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